蜂の子に含まれるビタミンの種類とは?

蜂の子が含む代表的な栄養素といえば、良質なタンパク質がよく知られています。
しかし、その豊富なタンパク質が無駄なく効果を発揮するのは、代謝を助けるために作用する各種ビタミンの働きがあるからこそといえます。
この記事では、蜂の子が含むタンパク質や脂質、糖質の代謝を補酵素としても働くビタミンの種類についてご紹介します。

蜂の子のビタミンの特徴や働き

以下では、蜂の子が含むビタミン類の特徴などについて、蜂の子100gに対する含有量を添えてご紹介します。

ビタミンC(3.80mg/100g)

ビタミンCは水溶性ビタミンの一つで、体外に排出されやすいため、毎日適量を摂取するのが理想的とされる成分です。
皮膚や筋肉、内臓などを人体の基礎をつくるコラーゲンの生成に関わる酵素の補酵素としてその促進に関わり、身体組織に弾力を与える作用があります。
また、優れた抗酸化作用を持つ成分でもあるため、老化やガンなどの疾患の原因となる活性酸素の大量発生を抑える働きや、ストレス耐性を高めるなどの作用を備えています。

ビタミンB群

ビタミンB1(0.41mg/100g)

チアミンとも呼ばれるビタミンB1は、ブドウ糖のエネルギー変換の際に不可欠な栄養素です。
糖質の代謝に必要な酵素を助ける補酵素として、脳神経系や手足の末梢神経の正常な機能を保つ働きをし、脚気予防や疲労回復、めまいやだるさ、肩こりの改善などの効果が期待できます。
不足すると糖質から産生されるエネルギーが不十分となり、食欲不振や疲れなどが現れたり、脳や神経機能に障害が起こったりします。
ビタミンB1が不足する原因には、糖分やアルコールの摂りすぎ、激しいスポーツなどのほか、インスタント食品の利用の増加も挙げられます。
また、明治時代の日本でいわゆる国民病とされた脚気は、ビタミンB1の欠乏が大きな原因で、糖質過剰の傾向にある現代では脚気の発症の報告もなされているため、意識的な摂取が推奨されています。

ナイアシン(3.67mg/100g)

体内では必須アミノ酸のトリプトファンからも合成されるナイアシンは、三大栄養素のうち、主に糖質の代謝に関わっています。
皮膚の発育や消化器系の働きを促すために作用するほか、血管を拡張して血行改善に効果が期待できる成分です。
不足すると食欲不振や口内炎などの粘膜異常が現れたり、下痢など消化器系の障害を起こしたりします。

ビタミンB2(0.91mg/100g)

リボフラビンとも呼ばれるビタミンB2は、三大栄養素の中でも特に脂質の代謝に必要な酵素の働きを助ける役割を担っています。
脂質のエネルギー変換や新陳代謝を活発にし、皮膚や粘膜の機能維持や成長を後押ししたり、皮脂分泌を調整したりしています。
そのため不足すると、皮膚や粘膜の機能に異常が起こり、特に新陳代謝の活発な口の周りの粘膜に影響が現れ、口角炎や口唇炎などを発症します。
また、肌荒れや皮脂脂性肌、胃腸炎などが起こるほか、髪のパサつきや角膜炎などが現れる場合もあります。

パントテン酸(1.19mg/100g)

パントテン酸も特に脂質の代謝に深く関わり、コレステロールやホルモン、免疫抗体の合成をおこない、中枢神経の発達を助ける役割を担っています。
不足すると末梢神経に障害が起こる恐れがあるものの、幅広い食品に含まれるパントテン酸は人体内でも合成できる性質を持つため、欠乏症に陥る恐れはほとんどありません。

コリン(168.4mg/100g)

コリンとはビタミン様物質の一つで、アミノ酸から合成され細胞膜をつくるレシチンや、血管拡張作用のあるアセチルコリンの前駆体となります。
脂質の代謝を促し肥満や動脈硬化などの発症を防ぐ作用のほか、神経細胞の成分ともなるため記憶力の維持やアルツハイマー病の発症の予防にも有効とされています。

まとめ

蜂の子が含む各種ビタミンには、疲労回復や健康的な髪や肌づくり、生活習慣病の予防など幅広い効果が期待できます。
多様な効果が期待できるのも、同じく蜂の子に含まれる三大栄養素を効率よくエネルギーに変換する補酵素として各種ビタミンが作用し、人体の正常な機能や健康的な身体組織の維持を支えているためなのです。