妊娠中でも蜂の子を食べても問題はない?

蜂の子には妊娠中の女性にうれしい効果を発揮する成分が豊富に含まれていますが、妊娠中の身体はわずかな体調の変化や刺激に敏感になっている状態のため、蜂の子を食べても問題ないのか不安になる場合もあるのではないでしょうか。
この記事では、妊娠中に蜂の子を食べても問題はないのかに加え、摂取を避ける場合についてご紹介します。

妊娠中でも蜂の子の摂取は問題ない

妊娠中でも蜂の子を食べるのは問題ありません。
蜂と聞くと、毒による悪影響を連想するかもしれませんが、蜂の子には毒は含まれていないのです。
蜂の毒は『毒のう』という袋状の器官に蓄積されていて、獲物を攻撃する場合などに針から分泌され、その針は産卵管という生殖器官が変化した成熟したメスのみが持つ武器です。
蜂の幼虫やさなぎなどの蜂の子は未成熟のため、生殖器官ができていなく、毒針で敵を攻撃したり獲物を確保したりすることはないので、食べても毒による心配はありません。

また、同じ蜂の生産物であるハチミツを1歳未満の幼児に与えると、ボツリヌス菌による食中毒を起こす可能性があることがよく知られています。
これに関連して、蜂の子を食べた場合の悪影響を心配する人もいるかもしれませんが、蜂の子の摂取によるボツリヌス菌が原因の食中毒の報告例はありません。
蜂の子の中にはハチミツ自体含まれていなく、妊娠中に食べて問題となる成分は存在しないので、基本的に問題なく食べられます。

妊娠中に蜂の子の摂取を避ける場合とは?

蜂の子は、古くから貴重なタンパク源として常食されてきた栄養価の高い食品ですが、なんらかのアレルギーを持っている場合には、妊娠中の摂取を避けるのが無難です。
ここでは、注意すべきアレルギーや、併用に注意が必要な栄養素についてご紹介します。

甲殻類アレルギーがある場合

蜂の子は豊富なアミノ酸をバランスよく含む良質なタンパク質のため、卵や大豆・乳製品などタンパク質を含む食品と同様に、アレルギー反応が起こる可能性があります。
特に、エビやカニなどで甲殻類アレルギーに遭った経験がある場合、妊娠中の蜂の子の摂取は避けるのが推奨されています。
甲殻類全般のほか、イカやタコなど軟体動物や貝類にも含まれる『トロポミオシン』というタンパク質の一種が、蜂の子にも含まれているためです。
ただし、甲殻類に含まれるトロポミオシンと、蜂の子に含まれる場合とではその構造が異なるため、甲殻類アレルギー経験者が蜂の子の摂取で必ずアレルギー反応を起こすわけではないともいいます。

いずれにしても、甲殻類アレルギーがある場合、体内にできた抗体が蜂の子に含まれるタンパク質に反応しアレルギー反応が起こる恐れがあるため、妊娠中は蜂の子の摂取を控えるのが無難といえます。
特にサプリメント製品は、加工する過程で原材料に甲殻類などを含むもの、同じ生産ラインで甲殻類を扱っているものもあるため、注意が必要です。

蜂毒アレルギーがある場合

ミツバチやスズメバチなど、人を刺す蜂が持つ毒は、アレルギー反応を起こす成分を含んでいるので、過去に蜂に刺された経験がある場合も注意が必要とされています。
個人差はあるものの、蜂に刺されたあとにその毒液に対する抗体ができる場合があり、その状態で蜂の子を食べると、中に含まれるタンパク質がアレルゲンとなってアレルギー反応が現れる可能性があるためです。
前述のように人を刺す蜂の武器になる毒針は、未成熟な蜂の子には存在しないので、蜂の子を食べても毒液の成分による悪影響はないといえます。
とはいえ、蜂の子の摂取と蜂毒アレルギーとの関連性は、完全に明らかになっていないのが現状なので、些細な刺激に対しても敏感になる妊娠中の身体には、蜂の子の摂取は控えるのをおすすめします。

ビタミンAのサプリなどと併用する場合

蜂の子をサプリメントで摂取する場合には、蜂の子が含む栄養素以外に配合されている成分を確認が必要です。
蜂の子に含まれる栄養成分に問題はなくても、添加された栄養素によっては悪影響が現れる恐れがあるためです。
特に、ビタミンAを妊娠初期に大量に摂取すると、胎児に眼球や頭蓋、肺及び心臓の奇形といった先天性異常が生じるリスクが高まることが指摘されています。
ビタミンAの中でも、鶏や豚レバーなど動物性食品に多く含まれるレチノールの過剰摂取に妊娠初期は注意する必要があります。
とはいえ、レチノールの含有量が多い食品よりも、手軽に摂れるサプリメントや錠剤などでの過剰摂取のほうが問題です。
そのため、妊娠中はビタミンAのサプリメントの摂取を避けるだけでなく、蜂の子との併用を避けるのが無難です。