滋養強壮に効果的な食品として知られている蜂の子は、数多くの栄養成分を豊富に含んでいて、心身の健康を保つために幅広い効果が期待できます。
そのうち、さまざまな疾患の原因となり得るストレスの軽減にも蜂の子は効果的なのです。
この記事では、蜂の子が含む成分の働きによるストレス軽減の効果についてご紹介します。
ストレスとはなにか
一般に『ストレス』と呼ばれる現象を引き起こす原因となるものを『ストレッサー』といい、ストレッサーから主にネガティブな影響を受け、心身が反応することがストレス反応と呼ばれています。
ストレッサーの種類は、物理的なものや心理的なもの、科学的なものとの3つに分けられ、多くの人が感じているほとんどは、仕事や家庭の問題や人間関係などの『心理・社会的ストレッサー』に該当します。
ストレスによって生じる反応とは?
さらにストレス反応は、心理面・身体面・行動面の3つに分けられます。
心理面での主な反応には、イライラや不安、やる気の低下や抑うつ症状などが挙げられ、身体面の反応では頭痛や腰痛など身体の痛み、眼精疲労、胃痛や便秘・下痢、動悸・息切れや不眠などが現れます。
心身のストレス反応の延長線上にあるともいえる行動面の反応には、飲酒や喫煙量の増加、集中力の低下によるケアレスミスの増加、事故のリスクの上昇などがあります。
ストレスに深く関わるホルモン
人体はストレスを感じると、その対処にストレスホルモンと呼ばれる『コルチゾール』を副腎皮質から分泌します。
コルチゾールのもっとも基本的な働きは、ストレスに対して脳や身体が適切に対処できるように機能を調節することです。
ストレスに反応して分泌されると交感神経を刺激し、脈拍や血圧を上げたり脳を覚醒させたりして、ストレスの対処に必要な身体機能を発揮できるようにします。
蜂の子のもつストレス軽減に役立つ成分
上記のように、ストレスを感知するとコルチゾールを分泌してその適切な対処のために身体を調節しています。
蜂の子はこのホルモンの生成に必要な成分をはじめ、ストレス耐性に重要な成分を含んでおり、ストレス軽減効果が期待できます。
トリプトファン
蜂の子には必須・非必須を合わせ19種のアミノ酸が含まれており、そのうちのトリプトファンは、ストレス軽減にも効果を発揮する必須アミノ酸の一つです。
トリプトファンは、精神の安定に作用する脳の神経伝達物質セロトニンの原料となることで知られていて、セロトニンが不足するとコルチゾールの分泌量が増加する傾向が見られるといいます。
ストレス反応に応じて分泌されるコルチゾールは、ストレスの増加に比例して分泌量が多くなります。
しかし、慢性的なストレス状態に陥ってコルチゾールの分泌過剰がつづくと、副腎が疲弊して機能が低下してしまい、コルチゾールの分泌量も減少します。
するとストレス耐性が著しく下がり、極度の疲労や無気力、無関心といった抑うつ症状が現れるのです。
こうしたコルチゾールによる悪影響を防ぐには、トリプトファンを原料に生成されるセロトニンが役立ちます。
セロトニンはイライラや不安、恐怖や攻撃性の増強など、ストレスで生じやすい感情の亢進を抑えるため、ノルアドレナリンやドーパミンなどほかの神経伝達物質の働きを制御する働きがあります。
そのためセロトニンは神経安定に効果的とされ、脳内での合成量が充足していると、ストレスへの強い耐性ができ、その軽減に効果が期待できるのです。
ナイアシン
ナイアシンとはタンパク質や脂質、糖質の代謝に作用するビタミンの一つで、血行をよくして冷え性などの改善に役立つほか、神経の健康を保つ作用があります。
ナイアシンは主に動物性食品から摂取できるうえ、体内でもトリプトファンが前駆体となって生成されます。
そのため、ナイアシンが不足すると原料となるトリプトファンがナイアシン生成のために優先されてしまい、精神安定に重要な役割を持つセロトニンの欠乏を招きます。
蜂の子はナイアシンも含んでいるため、トリプトファンをその合成に利用することなく摂取できるのが利点といえます。
フェニルアラニン
必須アミノ酸の一つであるフェニルアラニンは、脳の神経伝達物質のドーパミンやノルアドレナリンなどの前駆体となる成分です。
もともと頭痛や腰痛・リウマチといった疼痛をやわらげる作用があり、医療現場では人工的に合成され鎮痛剤として利用される場合もあります。
フェニルアラニンにより脳内にドーパミンなどが充足すると、気分や精神の高揚、意欲の向上が起こり、ストレス耐性が高まって抑うつ症状や疲労の緩和につながるのです。
グリシン
ストレスが蔓延している現代社会では、それ自体をなくすことがほぼ不可能と考えられるため、ストレスから身を守り、うまく解消して溜めないことが重要です。
日常的にできるストレス解消法には睡眠も挙げられ、眠ることそのものが非常に効果的な手段とされています。
蜂の子には、寝つきをよくして深い眠りに就きやすくする、非必須アミノ酸のグリシンが含まれています。
グリシンは中枢神経で抑制に作用する神経伝達物質として、質の高い睡眠を得やすくする働きがあり、血管を拡張して体表の熱を放出し、深部体温を下げて自然な眠りを招く効果が確認されています。
蜂の子が含むこれらの成分が複合的に作用することで、ストレスの軽減に大きく貢献しているのです。