蜂の子を上手に保存する方法とは?

蜂の子の産地の一つである岐阜県の恵那市では、毎年11月の初めにクロスズメバチを意味する『ヘボ』の名前がついた『ヘボ祭り』というイベントが開催されています。
そこでは秋に旬を迎えるクロスズメバチの蜂の子の販売などもおこなわれ、未加工の蜂の子を購入することもできます。
特に生の蜂の子は保存が利かないうえ、一度に食べきれない場合も多いので、味を落とさずおいしく食べるには保存方法が重要となるです。
この記事では、蜂の子の種類ごとの保存方法についてご紹介します。

未加工の蜂の子の保存方法について

調理されていない未加工の蜂の子を通販などで購入する場合、ほとんどが冷凍された状態で販売されています。
そのまま冷凍庫に保存し、賞味期限が過ぎる前に食べるようにしましょう。
冷凍された蜂の子の賞味期限はおよそ1年ですが、未加工の蜂の子には保存料などが使用されていないのがほとんどのため、冷凍されていても早めに食べきるよう注意書きがなされています。

冷凍にする

蜂の子の風味を損なわずに保存するのは、冷凍保存が最適とされています。
蜂の子の産地では、旬の時期である秋になると大きな蜂の巣に入った生の蜂の子が販売されていますが、そのまま保存せずにいったん冷凍したものを解凍して使用するのが一般的です。
巣ごと蜂の子を購入した場合、その中に入った生の蜂の子を保存する際には、必ず取り出してから冷凍するのが推奨されています。
とはいえ、大量にまとめて冷凍し、使うたびに解凍するやり方では蜂の子の傷みが早まり、風味が損なわれてしまいます。
巣に入った蜂の子は一匹ずつピンセットなどでつまみ出し、密封できる容器や袋などに、一回の調理に使う分量に小分けにして冷凍するとよいでしょう。
巣のまま冷凍すると、蜂の子が巣の内壁に張り付いてうまく取り出せなくなるので、生の状態で取り出しておくと簡単で便利です。

一般の食品と同じように冷凍保存すると日持ちしやすくなるメリットがある一方、長期にわたって冷凍したままにしておくと細胞壁が劣化し、もろくなりやすいデメリットも発生します。
また、空気に触れて酸化してしまうと、冷凍焼けを起こして味が著しく落ちるので、冷凍で保存する場合には密閉してなるべく空気が入らないようにするのを心がけましょう。

佃煮にする

生の蜂の子を自宅で佃煮にするのも保存方法の一つです。
蜂の子の佃煮は日本で古くから食べられてきた伝統食で、自宅でつくるには、しょう油・砂糖・みりん・料理酒を用意して甘辛く味つけをし、水分がなくなるまで煮詰めれば簡単にできあがります。
蜂の子はやわらかく壊れやすいので、調理の際には丁寧に扱うように注意しましょう。
日持ちさせたい場合には、濃いめの味つけをするのがおすすめです。
自宅でつくる無添加の佃煮であれば、2週間ほどの保存が利くとされますが、水分量が多いほど保存期間は短くなってしまうため、できるだけ早めの消費が推奨されています。
蜂の子の佃煮は常温でも日持ちしますが、冷凍保存すると味を落とさずに保存が利きます。
冷凍焼けや匂い移りを防ぐために、つくった蜂の子の佃煮をラップで包み、さらに密封できる袋や容器に入れて保存すると効果的です。

加工した蜂の子の保存方法について

蜂の子の缶詰やビン詰めの場合

蜂の子の佃煮や甘露煮などの加工品は、缶詰やビン詰めで販売されており、生の蜂の子よりも日持ちするのが利点です。
賞味期限はいずれも未開封・常温保存で缶詰は3年ほど、ビン詰めは半年~1年ほどと、比較的保存が利きますが、開封したら冷蔵個で保存して、できるだけ早めに食べるのが推奨されています。
ビン詰めや缶詰の蜂の子を購入した場合、未開封なら高温や直射日光を避けた冷暗所で保存し、開封後には冷蔵保存して早めに食べきり、長く保存したい場合には生のままと同じように密封容器や袋に移し替えてから冷凍保存するのがおすすめです。
それ以外にもスーパーで販売されている惣菜のように、トレーやパック詰めされている商品もありますが、いずれにしても保存料などの添加物が使われていない場合がほとんどなので、賞味期限には注意する必要があります。
特に惣菜型で販売されている蜂の子の加工食品は、長期保存には不向きのため、購入後は早めに食べきりましょう。

蜂の子のサプリメントの場合

蜂の子の加工食品には、カプセルや錠剤などのサプリメントも挙げられます。
これらを保存する場合には、直射日光や高温多湿の場所を避け、冷暗所で保存するのがメーカーによって推奨されています。
高温の場所を避ける目的で冷蔵庫で保存するのは、何度も出し入れすることで、温度と湿度の変化の影響によりサプリメントの劣化を招く可能性があるため、おすすめできる方法とはいえません。
蜂の子のサプリメントの多くはカプセルタイプのため、冷蔵保存すると硬くなり、割れやすくなることも考えられます。
また、匂いの強い食品や香水などの化粧品の近くで保存すると、その匂いを吸収してしまう場合があるため、一緒に置かないように注意しましょう。